腎臓内科専門医試験対策(追記しました)

腎臓内科専門医対策についてネット上にあまり情報がなかったので、聞ける先輩もおらず孤独な闘いをしている先生のお役に立てればと。

まず必要な問題集についてですが、以下の2冊は必須と思われます

New専門医を目指すケース・メソッド・アプローチ 腎臓疾患

腎臓病セルフアセスメント問題と解説2012

ただし、この2冊は必要であって、十分ではありません。

特に、腎臓病セルフアセスメント問題は2012年版であり、2019年時点で出版から7年も経過しており、内容的には古くなってきています。中に出てくる治療選択やガイドラインの数字なども最新のものではなくなってきています。

さらに2012年版とは言っても、それ以前に出てきたセルフアセスメント問題の集合体なので、2010年以前の専門医の問題も多く含まれています。新しいバージョンの問題集が発売されることも期待されていますが、恐らくされないと思います。

腎臓内科専門医の問題として、未だに泌尿器科医が取得できるという少し変わった状況になっているためと考えられます。はっきり申しまして、泌尿器科医は腎臓内科の診療はできないですし、腎臓内科医は泌尿器科の診療はできません。

過去に取得された方で、泌尿器科専門医と腎臓内科専門医の両方を持っているという現代の腎臓内科医からすると「?」な状況が起こっています。

その逆、すなわち腎臓内科医が泌尿器科専門医を持っているパターンは恐らくないと思われるので、その点からも問題であると思われます。

血液内科から腎臓内科へ入った私としては、腎臓内科はバリバリの内科であるので、その部分は不思議でなりません(血管外科医が血液内科疾患を診察していたとしたら驚くのと同じです)。

専門医制度が新制度で走り出しているこの時代に、泌尿器科医が腎臓内科専門医を取得できるということは異常な事態であります(外科医が突然、総合内科専門医を取得するようなものです)。

腎臓内科専門医の問題についても、腎臓学会もそのあたりを危惧しているようで、腎臓内科を日々行っていないと解けないような問題をまぶしていますし、年々増やしているようです(推察)。

腎臓内科と腎臓外科は全く異なるものでありますが、一般の人から見ますと、同じ腎臓とつけば同じ科だと思ってしまう可能性すらありますし、それ自体は問題であると思います。

私の感覚では、前述の2冊を問題の要点のみならず、解説までも理解して覚えれば5〜6割程度の問題は正解率90%以上を得られると思います(受験者が行うものは一通りやっておいた方が無難)。

残りの4〜5割は、問題集外のジャンルから出ているような印象です(というよりも、問題の質・方向性が違うと言ったほうが正確かもしれません)。

ただ、受験会場の雰囲気からはほとんどの方が「腎臓病セルフアセスメント問題と解説2012」を試験前に見直していいた印象でしたので、恐らくそれでは足りないという口コミは直ぐに広がると思われます。

専門医を目指すケースメソッド、最新のガイドラインの細かい数字についても確実にマスターしておくことが望ましいと思います。

アクセス数が増えているため覚えている範囲で追記致しました(あまりにも突拍子のない問題は試験後に覚えているうちにメモしたのですが、紛失してしまいました)

追記しました

電解質についての問題も頻出で、思っていたよりも割合が多くびっくりしました(同じような選択肢が別問題でも出てくるくらいでしたので印象深かったです)。

Na,K,Clを含めたチャネルについて(近位、遠位尿細管、ヘンレでのチャネルの分布、それぞれの利尿剤がどの部分に作用するのかも含めて)まとめておく必要があるかと思います。

Mgの動態までも出ていました。各尿細管性アシドーシスも。

各リスク別の血圧の目標値(家庭も含め)も覚えておいてください。

MGRS、ALアミロイドーシスについての問題も出ていました。MGRSでは今のところBortezomibを選択させるだけの問題でした。FLC→Fanconiもあったような気が・・・。

腎代替療法についての説明をeGFR8、15、30、45、60のどこから始めるか?という奇問もありました(eGFR8という選択肢はあったかは曖昧です)。迷わず15を選びました(eGFR30にすると80歳以上の方ほとんどの方に腎代替療法の説明しないといけない?と思いながら)が、正答は調べていません。

透析関連問題は普通に透析診療していれば解けるようなレベルでした(シナカセルトかVitDとかリン吸着薬選ぶような感じでした。透析効率系とかPDのPET系などは出ていない)。

腎排泄で調整がいる薬剤問題はありましたが、肝心の薬剤の選択肢が思い出せません(これもX2だった気が。お決まりの抗生剤は抑えるとして。)。

あとは、選択肢は2/3くらいは所謂X2タイプでした。

他にも思い出したら適宜追記していきます。。。

腎臓セルフアセスメント問題と解説2012は試験開始後「ほとんど空振りやん!」と思った記憶はあります(もちろん受験生全員やっているのでしっかりやった方がよいですが)。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です