透析専門医試験対策

昨年、透析専門医試験2021年を受験してまいりました。

その時に感じたことや勉強方法について備忘録的に記録しておきたいと思います。とはいえ試験から既に半年以上経過しており、次の透析専門医試験は2022年10月16日(日曜)になっている状況です。

合格率は80%強ということですが、出来るだけ1回で合格するにはどうしたらよいかを考えていきたいと思います。

透析専門医試験に申し込むと、専門研修トレーニング問題解説集が送られてきます。この問題集を鍛錬せよというメッセージなのかと思います。私はこの問題集のみ使いました(後述する毎年のトレーニング問題には手を付けませんでした)。結果は平均点程度でした。

大まかな印象では透析専門医試験はやや内科系に触れているDrに有利な内容と感じました。それも仕方ないことで、透析に関わる技師も増えてきており、チームで診療するということが以前よりも増えてきているはずです。その中で、医師の役割は?というとこを突いてきているように感じます。透析患者さんも次第に高齢化しており、様々な問題が起こりうる状況で、透析関連の新薬、心不全に対する治療薬等、透析においても専門的治療や知識が求められてきているのだろうなということです。

イバブラジンが選択肢に入った問題が出題されておりました。イバブラジンはβブロッカーの耐用性が低い場合に用いられるかと思います(当方も循環器専門ではありませんため、頻度はそれほどではありますが使う場面はあります)。2019年11月に上市された薬になりますが2021年の試験に出ています。

HIF阻害薬についても、エナロデュスタットは食前や空腹時投与など投与タイミング、ロキサデュスタットは週3回などの服用タイミングや薬剤の相互作用についても重要で個々の薬剤で大きく異なるため、正式名称も含めて覚えておく必要あります。

2021年までに薬価収載された薬については抑えておいた方がよいかもしれません。

私は試験対策には行いませんでしたが、試験後にどこか対策しようがあるかどうかをチェックしましたところ、毎年行われているセルフトレーニング問題も解いておいた方がよいと思いました。2021年は8月号に解答と解説が載っております。2022年についても恐らく8月号に掲載されているかと思います。セルフトレーニング問題から全く同じ出題ではありませんが、選択肢の内容がやや一致している問題が散見され、見ていると合否を分ける問題になりうる(専門研修トレーニング問題解説集に載っていない)と思いました。

追記:セルフトレーニング問題は5年程度行った方が良いというインターネット情報があるようです。

透析専門医過去問は大きな施設で記憶復元していない限り、現状はないかと思われます。

以上をまとめますと

2022年度透析専門医試験対策として最低限は

①専門研修トレーニング問題解説集第4版

②2021年8月、2022年8月透析医学会雑誌に掲載されているセルフトレーニング問題と選択肢を理解する

③2021年までに上市された透析関連薬剤の薬剤名および役割

と思います。

試験当日の動き

試験は毎年都市センターホテルで開催されています。受験生は2021年は252名でした。午前の試験はコスモスホールという巨大なホールで全員が受けました。机は一つ2人。6ラインあって、1ラインは21列。

午前中に2時間で100問の選択問題。X2(いわゆる5択から2つ選ぶ問題)が多かったように思います(当日はカウントしていましたが割合は忘れてしまいました)。

その後1.5時間程度の休憩を挟んで、面接試験が凡そ1人10分程度行われます。休憩は長いので、近くにお昼を食べに行けますが、休日のため閑散としていました。

面接ブースは15ブースあり。それでも1ブースあたり15名程度振り分けられるため、トータルで3時間程度、開始時刻に差はありそうでした。同じ施設からの受験生はほぼ同じタイミングで面接になるように調整されているようでした。

これだけブースがあるので、ブース毎に聞かれること、傾向が違うのも当然なのかもしれません。

面接までの休憩時間には、提出しただろうサマリーを読み込んでいる受験生が多くいました。服装ですが、面接のためかスーツで受験している方が大半でした。

2021年気になった問題(覚えているもの)

時間が経過していしまっているので、記憶が曖昧で正確ではありませんが、印象に残った問題のテーマ(すなわち自分がスルーしていた、準備していなかった問題やその他ほかの人もつまづきそうだなと感じた問題)になります。

・HIFと鉄について

・小児のカテーテル(FDL)についてどうするか、どこに入れるかなどなど

・透析の結核治療について、結核治療薬と腎障害について

・ヘパリンなどの抗凝固薬は回路のどの部分に接続しているか

・腹膜透析のPET試験についての詳細

・尿毒症物質について(物質名で出ていた気がします)

・低亜鉛血症について(症状なども含め)

・FGF23の作用全般

・下肢虚血の治療方針について

・アシドーシスを起こす薬剤

・直近の腎移植の人数(最新の数字を)、合わせてHDやPDの最新の導入数や患者数も。

・NOの産生について

・排水系の問題(温度、pHなど数字もしっかり覚えてください)

面接試験

面接試験はブースによって聞かれることが異なるようです。

試験会場では自分の提出したサマリーを面接試験前にずっと読んでる受験生が沢山いて、え??となっていたのですが、試験ではどうやら提出サマリーを見ながらその中の質問をしているブースもあったようです。

追記:自分の提出したサマリーを参考にするというのは試験概要に載っているとのことでした

ただ、そうではない場合もあるため(自分の場合は)、必ずしも自分の出したサマリーを読み込む必要性は乏しいかと感じました(そもそもサマリーをもっていきませんでした)。

時間的には10分程度で、聞かれたこと1に対してどんどん広げていき、10答えれば時間も消費していいのかもしれません。

大まかには施設の透析導入の状況(HD、PD、移植)などはおさらいしておいた方が良さそうです。

面接試験というよりは会話という流れで、会話の中で時々質問→受け答え→会話→質問→受け答えの流れで、その中でおかしなことがないかを探していく減点法と見受けられました。

聞かれたこと(他のブースの受験生の話も含め)

・HIF阻害薬の自施設での使い分け、内服タイミング

・自施設のアクセス(動脈表在化、シャント)の選択はどのように行っているか

・腹膜透析の管理は誰が行っているか、それにどのように関わっているか

まとめ

以上参考になるか分かりませんが、試験対策に活用していただければ幸いです。個人的には試験勉強で、新しい発見や勉強になることがありました。臨床面では透析膜の変更や調整を以前よりも考えるようになりました。

試験を通して、臨床力アップというのが本来の目的なのかもしれません。

自分自身は試験対策を聞けるような人が周りにおりませんで、トレーニング問題集を直前に固めていきましたが、必要であって十分ではなさそうです(それでは足りない印象です)。トレーニング問題とは若干方向性が異なる問題が多くなってきているのかもしれません。

試験が終わったあとは「来年も受けないといけないかな?」と思い、試験直後に何を追加でやればよかったのか?のみをおさらいしました。前述のチェックリストは恐らくトレーニング問題集には掲載されていない分野かと思います(セルフトレーニング問題は最低でも2年分は是非行ってくださいと繰り返しておきます)。

主に一般病院やクリニックの先生方で誰かに聞けるような環境でない先生方、受験される先生の参考になれば幸いです。

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