クレメジンで痩せるか?(健常人向け)

今回は腎臓とは全く関係ありません。

「クレメジン(活性炭)」で痩せるか? についてです。

クレメジンを薦めている美容関係の方々がいるようなので、クレメジンを処方することがある者としての考えを書いておこうかと思います。

クレメジンは活性炭を粉末にしたもの(今では容易に溶けるOD錠になった錠剤もある)で、医薬品として使われています。

用途としては腎不全の「尿毒症症状の改善及び透析導入の遅延」の効能があるとされています。以前に「腸の菌と腎臓」でクレメジンについて少し触れているのでご参照ください。

クレメジンで健常人が痩せるかどうかのデータは探した限りでは存在しません。

クレメジンは腎不全患者においてのデータがメインで、ラットなどの研究でも腎不全モデルを対象としています。腸内の腐敗物、アンモニア、尿毒症物質を吸着する可能性があります。

健常人においてはデータはありません。

個人的に、クレメジンで懸念する大きな副作用に便秘があります。腎不全患者さんにとっても便秘は大敵ですし、便秘を改善すると、BUNが低下することは良く経験されます。

健常人が、クレメジン(活性炭)を摂取して、便秘になったら結局飲んでいる意味ないのではないでしょうか?

そもそも食べたものを食べたあとに吸着させよう!という発想がナンセンスなのかもしれません (さらに、痩せたいと考えていても、便秘があるのにクレメジンを飲むなんて発送自体がナンセンスでしょう) 。

ちなみに、クレメジンは基礎疾患に肝疾患がある場合、便秘になって血中アンモニアが上昇して、肝性脳症を悪化させる可能性があります。ので、結局、腸内環境を良くしようと思っても便秘になると逆効果になる可能性があることは知っておく必要があるかと思います。

ついでに、アムロジンという吸収に時間がかかる薬剤については、クレメジンを摂取しても血漿中濃度がクレメジンを飲まなかった場合と変わらなかったというデータも出ています。

高額なお金を出して、健常人がクレメジンを買うこと自体は止めませんが、そんなことをするくらいなら、良いものを食べることや腸内環境を改善すること、運動したりすること、ストレスをためないようにすることにお金を使った方がよいのでは?と思ってしまいますね。

どうしても吸着させたい!と考えるのであれば、健常人がクレメジンで吸着させないとならない物質が入っているものは食べないようにすればよいのではと思います。繰り返しになりますが、食べたものを食べたあとに吸着させよう!なんてナンセンスな考えはやめましょう。

ちなみに、1kgあたり7000kcalと言われていますので、1日70kcal減らせば100日で1kg痩せる計算になります(あくまで単純計算です)。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です