腸内環境と腎臓についてはもともと興味がありましたが、今回分かりやすく(?)まとめてみることにしました。少し長くなるため3部作になっています。
少し前に何かと話題になったプロバイオティクス。L〇21なんかはピロリ菌と闘う力がある?ということでテレビでも話題になったかと思います。
腎不全と腸の中の環境が関わっているかもしれないということを耳にすることも多くなってきたと思いますが、私なり勉強したことをまとめてみたいと思います。
そもそも、腸内の菌って何がどれくらいいるのでしょうか?
現代の医学では腸内の細菌の数は10兆~100兆個程度(とんでもない数です。)いると考えられており、その種類もかなり多岐にわたるとされています。巷に売られている飲むヨーグルトなんかに入っている乳酸菌はせいぜい数百億個なので、その1000倍~10000倍くらいいる計算になります。
飲むヨーグルトの菌でお腹の中の菌を総取り換えしようとすると1000個は飲まないといけない計算になってしまいます。しかし、そんな簡単なものではなく、いろいろな菌が共存していることや、菌も増えたり減ったりするので、単純に計算は出来ないと思われます。少なくとも、1回や2回ヨーグルトを取っただけで腸の中が変わるとは到底思えないのかなということは分かりますし、腸内の環境は「継続的なケア」が必要なんだな、ということくらいは想像できるかと思います。
前置きはこれくらいにしておいて、腸の中の細菌がどんなものがいるか、その割合などは、以前は検査すること自体が難しかったらしく、その理由は便を培養して、一つ一つ同定していかないといけなかったからだそうです。
しかし時代は進歩し、どういった遺伝子の細菌がいるかで細菌を同定していく手法が確立され(次世代シークエンサーによる)、劇的に腸内の細菌の環境が分かるようになっていきました。
腸内細菌と肥満は関連があるということはテレビでも一部取り上げられたことがあるかと思います。人間ではまだよくわかっていませんが、肥満のマウスの便を体型が普通のマウスに移植すると、そのマウスも肥満になるということが発見されました。このことはNatureという有名な雑誌に取り上げられました。
An obesity-associated gut microbiome with increased capacity for energy harvest.(2006 Nature, Turnbaugh PJ, et al)
その他にも肥満と細菌が関連しているとされる報告がなされました。
その②へ続きます
コメントを残す