透析(シャント関連)で一押しのエコー

今回は、日常の血管穿刺、バスキュラーアクセス評価およびPTAにも耐えうる一押しのエコーをご紹介したいと思います。

ちなみに、このエコーはJCHO千葉病院で所有しているわけではなく、デモで使ったのみです。このエコーが病院で購入できればいいなとただ思っている一台になります(当院のMEも絶賛しています)。残念ながら今のところ購入出来る許可はありません。

以前に、透析室でのエコーの選び方で、「用途を考える」ということを扱いました。

KONICA MINOLTAの「SONIMAGE HS1」になります。

この機械の何がすごいのかというと

・ポータブルタイプなのに18MHzのリニアプローブが使える

・SSDを使用しているため、起動も早い+コンセントなしでも長時間使える

この2点が優れているのではないかと考えています。

リニアプローブの周波数については

にて説明しております。

当院では背景に写りこんでいるエコー(日立アロカ製Noblus:ポータブルタイプ)を使用していて、こちらも18MHzのリニアプローブを使用できます。

このコニカミノルタのSONIMAGE HS1はSSDを使用しているということで、長時間電源を入れておいても機械が高熱になりにくく(おそらく故障も少ない)、起動も早いだけでなく、充電フリーの時間が長いことが特徴かと思われます。

実際使用したところ、40分程度は楽々コンセントフリーで使用できました。ということは朝の透析の穿刺時間はコンセントフリーで使用できることになります。

SSDで高熱になりにくいので、そもそも故障しにくいと考えられ、冷却ファンもそれほど必要でないということも、ホコリがたまりにくく、メンテナンスの回数も減らせるのではないかと思われます。エコーの修理は非常に高額なので、画質だけではなく、購入後のメンテナンスのことも十分考えておく必要があると思われます。

また、高画質であるので、エコー下PTAにもストレスなく使用できると考えられます。

同一機種(コニカミノルタ)における11MHz と 18MHz の画質の違いを並べておきます。基本的に同じ位置のエコー画像になります。

①11MHzのプローブ

②18MHzのプローブ

①11MHz

②18MHz

となります。

結局、他社のエコーも同様なのですが、周波数が低い分をコントラストを調整することで補っており、一見、低周波数のものの画質も良いように見えることが多々あるかと思います。

しかし、0.1mm単位で評価するしかないものは高周波数が使えるのであればその方がよい気がします。

高精細であると、カラードップラーを使わずともBモードで血管を全て評価できてしまいます。

他にも、やはり閉塞したシャント、特に時間がかなり経過(極端例でいうと1か月とか)したシャント閉塞のPTAでは高周波数のエコーを用いないとPTA不可能と考えられます。

やはりPTA中のストレスが全然違います。PTAは如何に術者が粘るかにかかっているわけで、道具はやはりいいものを選択したいところです。

ちなみにですが、周波数が高くなると、エコーの幅が薄くなり、針先が見えにくくなります(低い周波数のエコーで針が見えやすいということです)。なので高画質のエコーでも周波数を落としたり、針先協調モードにすることで針先が見えやすくなります。なので、高周波数は針先が見えにくいからダメだ!とは考えずに、いくらでもやりようがあることを覚えておいていただければと思います。

今回は今出回っているポータブルエコーで、とても良いものを見つけ、当院にも是非とも欲しいなということでご紹介させていただきました(注:とくにコニカミノルタから何か貰っているとか全くありません。独断でご紹介しています。エコーは大小沢山の会社から多くの種類が販売されており、他にも良い機種があれば是非お教えください)。

4 件のコメント

  • この機種使い勝手もいいですよね!お絵かきモードや研究用に発表する際匿名モードで出力できたりと色々できていい感じです。SNVもつけるとなかなかの値段ですが…

    • ありがとうございます!

      お絵描きモードというものがあるのですね!ますます欲しくなります。。。SNVは高いのであれば不要かもしれませんね、、、、基本的に針先強調モードを使わずにエコー穿刺していた方がうまくなるのかなと思ってしまいます。

      また何か情報ありましたらお教えください!

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