腎生検について

腎生検の必要性

腎生検を行うことで、将来的に透析になるような疾患を診断し、治療することができる可能性があります。

必要性については担当の先生とよく相談することが重要ではないかと考えられます(行った方が良いという基準はあるものの、実際はご年齢や状況により変化します)。

腎生検が出来ない状況としては

・片腎(何らかの理由、手術等で片方の腎臓を摘出している場合など)

・出血しやすい(血液サラサラのお薬を飲まれていても、入院にて点滴の代替薬に変更しながら検査することも可能です)

・高度の高血圧(血圧が高い場合は出血しやすいため、降圧を行って施行します)

・嚢胞腎(ただし、嚢胞があっても、多発嚢胞腎でなければ、エコーを使うと嚢胞の隙間を狙って行うことが比較的容易です。他院にて「腎生検の適応はあるけれども嚢胞があるからできない」と言われた患者様においてもご相談下さい。)

・その他(急性腎盂腎炎、水腎症、萎縮腎、腎奇形、高度の心不全)

その他の状況としては、もともとCKDをお持ちで、Creがもともと高い場合でも、急激に蛋白尿が増えてきた場合等尿所見に異常をを来した場合などは腎生検することにより、透析までの時間をその治療により稼げる可能性が高いと判断されることもあります。

少し前にも、20年前に尿潜血陽性だった方が、結局腎生検がなされず、20年後の2019年に尿蛋白とCreの上昇(既にCreが1.7くらい)で来院され、腎生検を行ったところIgA腎症と診断しました。ただ、得られた糸球体の全てが荒廃していたため、介入できることはないという判断になりました。

腎生検が必要かも? と言われたら検査に前向きにとらえることも重要かもしれません。透析になるという状況が20年経過して訪れることもあります。

腎生検の入院日程

腎生検を行う必要性がある場合、私は千葉病院にて2泊3日で腎生検を行っています。

入院初日に腎生検を行い、翌日に採血、翌々日に退院としています。おそらくこれだけ短い期間で行っている施設も少ないかと思いますが、短くすることで、患者さんの負担を減らす目的があります。

「入院期間が長いから検査ができない」という方が多いことを受けて、この期間になりました。

また、検査費用についても入院期間が短縮されたことにより、負担が軽減されております。

腎生検後の運動・仕事について

運動や体幹を使う仕事については、腎生検から2週間程度は避けるようにしてもらっています。

腎生検から運動や体幹を使うことについては、明確な基準はありませんが、全国的には2週間まで、と4週間まで避けてもらう、2パターンが多くなっています(どちらも同じくらいの割合)。

検査結果について

腎生検の結果が分かるまでは約1週間程度のお時間をいただいております。

病状によっては検査結果が出る前から治療開始する場合もあります。

出来るだけ入院期間については患者様の社会的状況(仕事や学校)とよくよく相談しながら一緒に考えていくようにしております。

詳細(費用なども含め)についてはお電話等でJCHO千葉病院にお問い合わせください。

2 件のコメント

  • ちょっと話題からずれており、
    申し訳ありません(^-^;

    妻と本屋に行った折、
    「腎臓マッサージ」の本を妻が持ってきました。
    「マッサージして欲しいから、ツボを覚えて帰って!」
    と申すのですが・・・
    そもそも、腎臓のように複雑な組織を持つ臓器のマッサージは、
    あまりよろしくない気がするのですが、
    いかがなものでしょうか?

    • ありがとうござます。

      腎臓のマッサージはあまり聞いたことがありません。。。

      腎臓の血流は結構コントロールされており、そうやすやすと増えない&減らないようになっています。体を温めたり運動しても基本的には血流は増えない仕組みになっているはずです。

      例え血流が増えたからといって腎臓に良いのかどうか疑問が残るところです。悪いことはないにせよ、良くなるということはないかと考えています。

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