腎移植については、まずは腎移植①(はじめに)からお読みください
腎移植は困難な治療でしょうか?
どのくらいうまくいくのでしょうか?
今回は、腎移植の成人の成績についてです。
種々の免疫抑制薬が使えるようになり、腎移植の成績は少しずつ向上しています。
日本臨床移植学会の腎移植臨床登録集計報告(2017年)のデータを使って「腎と透析」2018年10月に投稿されたデータからは
生体腎移植(血縁や夫婦間)の腎臓の生着率ですが
①1983年~2000年
1年生着率:92.9% 5年生着率:81.9%
10年生着率:69.4% 15年生着率:60.3%
②2001年~2009年
1年生着率:97.5% 5年生着率:93.6%
10年生着率:86.0% 15年生着率:75.8%
③2010年~2015年
1年生着率:98.7% 5年生着率:94.5%
となっています。
使用できる免疫抑制薬進歩やその他、抗ウイルス薬の出現により、徐々に成績が良くなってきているのが分かります。
直近では5年生着率が94.5%と高い水準になっています。
献腎移植のデータは生体腎移植よりも落ちてしまいますが
2010年~2015年において1年生着率96.5%、5年生着率87.3% でした。
短期的成績は向上しています。
高齢者や糖尿病の患者さんでは成績が悪くなってしまうので、今後の課題にはなってくるかと思われます。
全体的には、みなさんが予想されていた生着率よりも高かったのではないでしょうか?
もちろん、慢性糸球体腎炎の中では腎炎再発しやすいものもあります。
そういった点を様々に考慮して腎移植ができる方は一歩前に進んでいただいてもよいのではないかと思います。
コメントを残す