(以下は玄人の先生方は想定しておりません)
このことはシャント手術を初めて始めてしばらくの間に良く遭遇することだと思います。
こちらも経験的には20例を超えたあたりから慣れてきて捻じれが少なくなっていくと思います。私もこの問題については手術を始めた当初の課題と考えていました。
また病院によっては血管の手術とその後の透析管理を同一のドクターが行っていない場合もあるため、何が問題だったか分からないこともあるかと思います。
こういったことは手術→透析管理を両方とも行っていると特に気にかかるところかと思います。
これを解決する方法の一つに皮膚ペンで自然な位置での吻合部を想定し、動脈と静脈それぞにに切開線を描いてしまうことだと考えています。
普通のシャント手術の作業手順から考えてみます
①動脈と静脈を露出します
②静脈を拡張し、ブルドックにて中枢側をはさみます。
③動脈を引き出して中枢と末梢をブルドックにてはさみます。
④ブルドックにて挟まれた状態の静脈と動脈の吻合想定部位をメスで切開をいれます。
⑤6-0ナイロンにて吻合部を吻合します。
このように通常のシャントの作成で捻じれが起こる最大の要因は2と3の作業のときに血管を引き出してから吻合部の想定をしていることにあると考えています。
引き出して吻合したあと、自然な位置(力がかからない位置)に血管は自然に収納されます。このときに引っ張り出していた血管が収納され血管の位置が若干ずれて捻じれてしまうことがあります。
それを防ぐには上記のように皮膚ペンにて血管を引っ張りだしていない状態で切開想定位置を決めてしまうことにあると考えています。
最初のころは皮膚ペンを習慣にしておけば、そのうち慣れてきて皮膚ペンがなくても良い位置で吻合想定部位を作ることが出来るようになるかと思います。
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