透析室でのエコーの選び方 ~A:画質をきめるものは?~

 

私の勤めている千葉の病院で2017年3月に1台エコー装置を購入してもらいました。その時に、合わせて5社-12台程度のエコーを実際に触らせてもらいました。

多数の会社のエコーの機械を触らせてもらって、初期の段階で感じ始めたのが、会社によって画質(画像の細かさ粗さ、コントラストなど)が大きく変わるんだなということでした。

 

基本的には高周波数であれば画質は良いと考えられています。現在、シャントエコーに使用されているリニアプローブは11MHz、12MHz、14MHz、18MHzあたりのラインナップかと思います。いろいろなエコーや周波数のプローブを試してみて、やはり18MHzが出せるプローブは高精細であると考えられます。


以下の写真は同じエコーの機械にそれぞれ11MHzと14MHzのプローブをセットし、同じ個所を映したものです。比較すると非常にわかりやすいです。

①11MHzのプローブ

 

②14MHzのプローブです。左右逆ですがお許しください。

 

同じ機械だと①と②で明らかに②の方が綺麗にというよりもより細かく見えていると思います。


もう一枚同じ個所で比較してみます。

①11MHz

 

②14MHz

ここまで並べてしまうとどれほど違うか一目瞭然だと思います。

14MHzの方はBモードの静止画ですら、血流の流れが血管内に淡く映っているのが分かるかと思います。

周波数が高く、高精細になると、狭窄部位を観察する際もカラードップラーはあまり使用しなくなってしまします(もちろん分かりにくいときやグラフト内を見るときは使用します)。


確かに11MHz、12MHzのプローブでもシャントはしっかりと綺麗にうつりますし、評価する際も問題はないと考えられます。

 

プローブの周波数がどのように臨床上影響してくるかについては「②エコーの用途を考える」で述べたいと思いますが、少しお話しておくと、PTA(VAIVT:シャントの風船治療)でこの周波数が大きく影響してきます。特に、シャントが完全閉塞して2週間近く経過してしまった場合には高精細の超音波機器が必須になると考えています。

 

話を戻しますが、画質とは画像の質であり、画質が良いということは必ずしも高精細であるということではないと考えます。

繰り返しになりますが、18MHzという高周波数であれば高精細であるということは言えると考えられます。

 

その中で11MHz,12MHzのプローブであっても、エコーの機器でその情報をどのように処理しているかで画質の良し悪しが変わってくると思われます。

同じプローブを用いていても、それを処理する本体の高級具合でも画質が変わってきます。

 

なので①画質を決めるものの答えとしては

・プローブの周波数が高精細かどうかを左右する

・画質自体は各会社や各機器の特性があるため、いろいろ体験してみて体感すべし

ということになるかと思います。

 

高精細を求めるなら絶対に高周波数を選択するべきと思います。

 

いまのところ利用可能なプローブは18MHzまでありますので、エコー装置のデモを行うときはリニアプローブであっても2本(11MHzくらいの低周波数のものと14or18MHzの高周波数のもの)同時にデモに持ってきてもらったほうがよいと思います。

 

透析室でのエコーの選び方 ~B:エコーの用途を考える~ 大は小を兼ねない

また、今回、画像で使用したエコーを以下で紹介しております。ご参照ください。

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