エコーを使うと大概の血管には穿刺できます

 

今回は、血管穿刺について触れてみたいと思います。

透析導入平均年齢が70歳に到達したと思われる時代において、やはり穿刺が難しい透析患者さんが増えているという現実があります。

私の勤める千葉病院でも、毎日10名ほどの方が、シャントや人工血管等のいわゆるバスキュラーアクセスがない状態で透析しています。その他にも、動脈表在化がアクセスで、返血血管が荒廃し、穿刺の難しい方もたくさんおられます。

穿刺が難しいと、患者さんの穿刺失敗の率も上がり、負担もイライラも大きくなってしまいます。

エコーを使用すると、大概の血管に穿刺ができてしまします。

高精細なエコーを使用すればするほど、穿刺針の太さと同じくらいの血管に穿刺できるようになります。

透析室でのエコー装置の選び方(主に透析室で使用するリニアプローブ限定のお話)

 

ほんの一例を提示します。

駆血しても太さが僅か1.3mmしかない静脈に返血穿刺しようと考えます。もちろん駆血しても血管は触れません。

 

針が進んでいっています。

 

そして、外套のみとなりました。駆血を外すと、外套よりも血管の方が細くなりました。

 

このように、高精細エコーがあれば、駆血して血管と同じ太さの針を穿刺することが可能になります(

いまの千葉病院では、18MHzの高精細のプローブエコーを使用しています。高精細になると若干ビームの幅が狭くなるようで、長軸での針のうつりがより厳密になっていくようです。)

 

このことは、血管が少ない方にとって非常に大きなメリットと考えられます。

無理に人工血管を入れる必要性がなくなる等、手術を回避できる可能性があるからです。

 

短いですが、今回はこれにて。

杉原

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