エコーによるシャント管理についての演題が透析関連の学会で非常に多くなっています。
定期的な検査の必要性については、施設の考え方やその施設が直ぐにPTA(風船治療)にアクセスできるかどうかによっても変わってくると思いますので割愛させていただきまが、やみくもにシャントエコーを行うと「予防的PTA」が増える懸念だけはしています(ここ最近のシャントエコーの広まりを見ても、その兆候を感じています・・・)。
そもそもが、シャントは適切な透析を行うための道具であることを認識する必要があるかと思います。
適正な透析が行えているorしばらく行えるのであれば、その段階でのPTAは慎重になる必要があります(もちろん止血不良などの圧上昇に対しては、止血不良と合わせて再循環も評価する必要があると思います)。
当院では、当院通院の患者さんの場合に限り、基本的には予防的PTAの割合を極力下げるようにしています(もちろん中にはあります)。脱血不良トラブルでのPTAは、「脱血不良が認められたときに、その次の透析の直前にPTAを施行する」という方針で行っています。
室谷院長のもと、PTAのアクセスが良いのであれば、こういったやり方でも良いと考えています。
話は逸れましたが、シャントエコーを早くするコツを考えてみました。
シャントエコーを早くするコツ
ざっくりとした小タイトルになりますが
まず大切なコツは
①初見のVAマップを作製するときは、まず視診、触診、聴診で得た情報で、大きな概略図を作ってしまう
→加えて、穿刺に使用しない(できない)レベルの血管は描く必要はありません
②プローブを左手、右手のどちらで持っても検査できるようにする
③1検査(FV・RIの計測から形態評価まで)あたり10分以内を目指す
だと思います。
エコーを始めたばかりのころは、私も全てエコーで見てチェックしなくては!という想いが強く、血管を全部エコーで追っかけていました(普段のと透析穿刺に使えないような表在の細い血管まで)。
しかし、段々慣れてくると、それ自体が意味のないことであると分かるかと思います。
やはり基本は「視診、触診、聴診」であり、その情報から必要な部位を抜き取って検査するという作業が必要になります。
穿刺に使用しない(できない)ような細い血管をつぶさに追いかけていくのも時間の浪費であると考えられます(そもそも、シャント血管は透析のための道具であるので、普段使用できない部分まで描く必要は乏しいかと思われます)。
あとは、意外と重要なのが「1検査あたり10分以内を目指す」かと思います。時間を制限することで、必要不要の判断をしていくことになるので無駄が省かれていくと考えます。
だらだらと検査を続けても、患者さんの時間を奪うだけで、患者さんと検査する側に両方にとっても大変かと思います。
FVとRIに関する要素は
・動脈
・吻合部
・静脈
の3つしかないので、それを解釈する理由付けをエコーで探していくことになります。
視診触診聴診で得られた情報を、エコーで確かめる
という刷り合わせを行っているに過ぎないと考えられます。
もちろん慣れてきたらでよいと思いますが、最初から「エコーで全ての血管を洗い出す」ということがすごく時間のかかることであることに、どこかで気が付くと思います。
視診触診聴診⇔エコー を繰り返すことで、より短い時間で患者さんのシャントの肝を知ることができるのではないかと思います。
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